京都嵐山 越天楽 縦横無尽

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イノセンスと筋トレと残酷な現実




 

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(写真は嵐山で見かけた鉄漿蜻蛉(おはぐろとんぼ)です。)

 

 

先日、アニメをつくっているツレ

食事をしていて

押井守さんの

攻殻機動隊「イノセンス」って映画いいよね

と話になり、

改めて見なおしてみたのですが

確かに良かったです。

 

どんな話かというと

ロボット技術が進化して

身体の一部が機械だったり

脳以外はすべて機械だったり、

脳も機械だけど人間である

という存在もいたりする

社会の話で、

脳も機械だったら

ロボットと人間の違いは何か

ということを問いかけるんだけど

その違いは結局ほとんどない・・・。

というような話です。

(かなりざっくり要約すると)

 

最近よく言われるようになってきた

「微差」

を描ききった映画で

これが2004年の

こうやったらお金が儲かるとか

こうやったら仕事がうまくいくとか

パワースポットに行けば運がよくなるとか

安易なノウハウ全盛の時代に

つくられていたということに

驚いてしまいます。

 

フェリーニさんの

「創発」

を描ききった

「8 1/2」

にも伍するべき

作品だと個人的には思っています。

 

 

 

それとは別の話ですが、

僕は意志力が弱く、

運動をしようと色んなジムに行っては

やめるということを繰り返していたのですが、

一年以上前から

パーソナルトレーナーをお願いしていて

付きっきりで指導してもらって

次の予定を決めていかざる得ない状況になってようやく

続くようになりました。

その先生が僕にとっては実にいい先生で、

常に僕にとってのぎりぎりの

ていうかこれはもう無理

というぐらいの負荷をかけて下さって

数日階段を上がるのがしんどいくらいです。

 

筋トレをしていて

筋肉が一番つくのは

このもう無理という状態からの

もう一回と言われています。

 

仕事でもそうですが

もう無理という状態からの

一回というのは

力はつくけど

他の人には見えなくて

はかることも出来ない

傍目にはよくわからない微差です。

 

情報が多くなったうえに情報を得ることが簡単になったことで、

情報の格差で優劣がつけづらく

ノウハウの価値がなくなってきている現状で、

結局、自分にしかわからない微差でしか

結果の差がつかない、

しかもその微差を実行できる人間は

持って生まれた資質によるところが大きい

というのは

何とも

「残酷な現実」

 だなあと思います。

 

 

久しぶりにみた押井守さんの

「イノセンス」で

そんな残酷な現実の美しさを感じることができました。

 

 

まあ結局

亡くなられた恩人がおっしゃられていた

「慎独」

につきるんだろうけど

資質もあるしなあ~。

と言い訳しつつ

もう少しやってみるかと思えました。
(無理だと思ったところからのもう一回です(笑))

 

 

以上、ひさしぶりに映画を見た話でした。


 

2015年07月14日 00:00