ハーメルンの笛吹き男と中小零細自営業者
思春期の頃大好きだった作家さんの中に
カミュさんやカフカさん
またその周辺の人々がいます。
カミュさんは「シーシュポスの神話」が、
カフカさんは作品ではなくて、
公園で人形をなくした女の子へ
人形のかわりに優しい手紙を書いてあげる話しが好きでした。
それでカミュさんだか、カフカさんだか
その周辺の人々だったか
ハッキリ覚えていないのですが、
ハーメルンの笛吹き男に関する文章があって、
その中で、笛吹き男に街の外へ連れていかれる子供達の中に
泣きながら、でもみんなと同じように踊りながら連れていかれる描写があったのです。
みんながトランス状態で興奮している中、
意識だけははっきりとしているのに
身体が自分の意志に反して、みんなと同じように踊りながら連れていかれるという
その時は少し怖い話だなぁぐらいの感覚でした。
年を重ねてその話を思い出したときに
泣きながら連れていかれる子供は
中小零細自営業者の僕たちとしか思えなくて、
笛吹き男に逆らう力もなく、
だからと言って煽られてもトランス状態になれずに、
でも結局、みんなと破滅の道に進んでいくしかないという
悲しい話と感じるようになりました。
ただ、最近は、
連れていかれるのは仕方ないことだとしても
散々泣いた後に
せめて道中楽しいことが見つかればいいなあと思います。
以上、そうはいっても腹は減る(お金は必要)…という話でした。