映画 BLUE GIANT
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BLUE GIANTは以前も紹介したことがあるくらい、
大好きな漫画ですが、
自分のイメージと実際の音の差異があるだろうと
映画の公開を聞いても避けてきました。
ただ、京都市内の出町座さんで、音にこだわった大音量の上映をされるとのことで
それならと伺ってきました。
演奏は作品によく合う若くて勢いのある方たちで固められていて、
上原さんも馬場さんも石若さんもみんな好きな演者ばかりでしたが、
正直結果はイメージとの大幅な差異を感じました。
ただ、差異が悪いというわけではなく演奏自体素晴らしく、
特に漫画で出てくる粗削りなのに可能性を感じさせる音というのはどんな音なのか?
と楽しみにしていたのですが、
粒が立ちながらわずかにぶれる音で表現されていて驚嘆しました。
殻を破る前の演奏、
殻を破った後の演奏、
初心者のベーシックだけど必死な演奏、
未熟ながらも急成長を遂げた演奏、
それぞれに明確な違いをもって表現されていたし、
片腕なのに衝動を表現する演奏も
普段の演奏とは明らかに違うコルトレーンの系譜を継いだ演奏など
プロはなんて凄いんだと
ただただ感嘆しかありませんでした。
短い中でどこを切り取るのか?
原作と違う結末、
というのは原作がある作品では永遠の課題みたいなところがあって、
あ、ここを切り取るんだ、あ、ここは変わるんだと面白く鑑賞させていただきました。
また、原作ファンのためのサービスとして深堀りはないにしても
1コマだけでも思いいれのある人物がでてくるのは思わぬうれしさもありました。
演奏シーンの様々な試みだけでなく
冒頭と最後に出てくる猫のメタファー等
随所に映画的な演出がされていて、好みでもありました。
個人的には主人公がなんの根拠もない初期衝動なのに、
激しくもなく、
淡々と淡々と、
延々と延々と続けていく
大好きな一念を表現した練習のシーンがなかったことが残念でしたが。
映画館を出た後、なぜだか頭の中に昔好きだった頭脳警察の「さようなら世界夫人よ」が流れてきて
ヘルマンヘッセさんもPANTAさんもJAZZだなと変に納得したのでした。
以上、いいものを見たり聞いたりすると
ふと関係ないものがつながることがあるよねという話でした。