京都嵐山 越天楽 縦横無尽

自分たちで面白いと感じる作品や商品を
自分たちが楽しみながらつくりあげた時間と空間にのせて
お客様に喜んでいただけることが何より嬉しいです。

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社長雑記

映画 BLUE GIANT 




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(縦横無尽のインスタグラムをはじめました。
少しずつですがご来店いただいたお客様などを紹介していきますのでよろしければご覧ください。
(Instagramでarashiyama_juuoumujinで検索するか、こちらをクリック下さい。
(閲覧するにはInstagramアプリのダウンロードが必要です))
 


BLUE GIANTは以前も紹介したことがあるくらい、
大好きな漫画ですが、

自分のイメージと実際の音の差異があるだろうと
映画の公開を聞いても避けてきました。

ただ、京都市内の出町座さんで、音にこだわった大音量の上映をされるとのことで
それならと伺ってきました。

演奏は作品によく合う若くて勢いのある方たちで固められていて、
上原さんも馬場さんも石若さんもみんな好きな演者ばかりでしたが、
正直結果はイメージとの大幅な差異を感じました。

ただ、差異が悪いというわけではなく演奏自体素晴らしく、
特に漫画で出てくる粗削りなのに可能性を感じさせる音というのはどんな音なのか?
と楽しみにしていたのですが、
粒が立ちながらわずかにぶれる音で表現されていて驚嘆しました。

殻を破る前の演奏、
殻を破った後の演奏、
初心者のベーシックだけど必死な演奏、
未熟ながらも急成長を遂げた演奏、
それぞれに明確な違いをもって表現されていたし、
片腕なのに衝動を表現する演奏も
普段の演奏とは明らかに違うコルトレーンの系譜を継いだ演奏など
プロはなんて凄いんだと
ただただ感嘆しかありませんでした。


短い中でどこを切り取るのか?
原作と違う結末、
というのは原作がある作品では永遠の課題みたいなところがあって、
あ、ここを切り取るんだ、あ、ここは変わるんだと面白く鑑賞させていただきました。
また、原作ファンのためのサービスとして深堀りはないにしても
1コマだけでも思いいれのある人物がでてくるのは思わぬうれしさもありました。

演奏シーンの様々な試みだけでなく
冒頭と最後に出てくる猫のメタファー等
随所に映画的な演出がされていて、好みでもありました。

個人的には主人公がなんの根拠もない初期衝動なのに、
激しくもなく、
淡々と淡々と、
延々と延々と続けていく
大好きな一念を表現した練習のシーンがなかったことが残念でしたが。


映画館を出た後、なぜだか頭の中に昔好きだった頭脳警察の「さようなら世界夫人よ」が流れてきて
ヘルマンヘッセさんもPANTAさんもJAZZだなと変に納得したのでした。


以上、いいものを見たり聞いたりすると
ふと関係ないものがつながることがあるよねという話でした。
 

2023年05月03日 00:00

THE FIRST SLAM DUNK




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(越天楽のインスタグラムをはじめました。
少しずつですがご来店いただいたお客様などを紹介していきますのでよろしければご覧ください。
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来月には縦横無尽のInstagramを紹介しますね。
(閲覧するにはInstagramアプリのダウンロードが必要です))
 


スラムダンクは漫画の時代に、
好きだったドカベンの岩鬼のセリフ
「花は桜木、男は岩鬼」
をキッカケに読むようになり、(主人公の名前が桜木花道です。)
夏子はんと春子さん等、随所に感じられるドカベンへのリスペクトを含めて好きになっていきました。

当時は、リアルタイムでいうとバブル期ということもあり、
様々な作品で最初から天才か天才的な才能を秘めているかの全能感(今でいうチート)溢れる登場人物が多くて、
良くいえばクール、悪くいえばしらけていたともいえる時代でした。

そんな中、時代に沿って上條さんのような画を入れたり、天才も描きながら、
同時に滴る汗を描き、真正面から真剣に戦う姿、努力しても敗北する姿を描くこの作品には
非常に心惹かれるものがありました。


今回の映画「THE FIRST SLAM DUNK」では、
当時ではもって来れなかったであろう、
他の才能を持つ主役達と比べて決して高いといえない身体能力や背が低いという身体的特徴をもつ、
天才ではない凡人ともいえる宮城リョウタを主人公にすえていることに感心しました。

また、初期衝動に向かいあったり、小さい頃にどんな自分だったかを遡るのは、
言志四緑の佐藤一斎さんいうところの「一燈」で、
まさに中小零細自営業者のおっさんが今遡ってしていることを
高校生で自己発見をしていくことに感嘆を覚えました。

もちろん、技術的なことは分からないけど、CGの躍動感やスピード感は試合の中にいるような感じでしたし、
少ない時間で初めてみても楽しめる内容、
出だしのラフ画から登場人物が動き出していく等、
どれも素晴らしいものでした。



ただ、中小零細自営業者のおっさんなら誰もが好きだと思う
出なかった登場人物である魚住の
「泥にまみれろよ」
というクリシェがなかったのは残念でしたが(笑)

総合的に考えてとても面白く何度もみたくなるような映画でした。


以上、どんなにわかったようなことを言ってみても、
結局映画をみに行こうと思った理由は、
井上雄彦さんが監督と知ったから程度です…という話でした。

 

2023年04月11日 00:00

ケイコ 目を澄ませて




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(写真は小学校高学年の息子のつくった「生き物の世界」です)
 


1月に続いて何とか月の最後に
映画館で映画をみることができました。

三宅唱さんは前作の「きみの鳥はうたえる」が好きで、
そこから遡って「COCKPIT」でやられたクチですが、
今回も上質な積み重ねを感じさせる内容で、
冒頭の小津さんをオマージュしたような電車の交錯や河川敷であったり、
ゴダールさんを彷彿とさせるような映像の色であったり、
引きこまれてあっという間の時間でした。
合間にさりげなく「COCKPIT」の音楽が流されたりしているところも好みです。

「ケイコ 目を澄ませて」

主演の女優さんが素晴らしすぎて、
おそらく監督が様々に積み重ねてきたものがみえにくくなってくるのは皮肉だなあと思いながら
何度もみると気づくことも多いだろうし、
何度もみるだろうなと思える映画でした。

蛇足ですが、主演である岸井ゆきさんが日本アカデミー賞の主演女優賞を受賞されて
おめでたいと思う反面、
みんながいいと言うものを嫌悪する天邪鬼な人間は
少し寂しい気持ちになるのでした。


以上、映画館での映画鑑賞が何とか続いたな…という話でした。

 

2023年03月15日 00:00

2回目の8年目勤続記念のお食事会





 

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(写真は新年に伺った木嶋さん(蚕ノ社)の三柱鳥居です。)

 

以前お祝いしてから6年たって、
2名のスタッフさんが

8年目の勤続となりました。

 

コロナ禍であったり、人の出入りがある中で、

また店自体続けることが厳しい中で、

8年間続けて頂けることは本当に有り難く、

お客様にはもちろんですが、

スタッフさんに心より感謝です。
 

前回同様ささやかに感謝を込めて大好きなMITATEさんで食事会を行うことができました。
(食事の内容は「嵐山美味しいもの処」で紹介しています)

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いつも本当に有り難うございます。

そしてこれからもよろしくお願いいたします。

次回の16年目を目指し、またみんなでお祝いしましょうね。

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年を重ねることでしかできないことが自然と増え、積み重なり、
スタッフさん自身も楽しみながら、
お客様に楽しんで頂ければ
これに勝る喜びはありません。



 

2023年02月20日 00:00

エンドロールのつづき




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(写真は大雪だった日の嵐山です)



ただでさえ少ない意志力が年々衰えてくるなかで、
より深く知りたいことであったり、感じたいことであったりする欲望は相変わらずというかむしろ増える一方で、
それを満たそうと思うと継続が必要なわけで、
少ない意志力で何とか続けるために
友人達と学習会したり、有志達と読書会したりと何とか継続するために足掻いたりしています。

その中の一つにサブスクの映画を毎月2本鑑賞するというのものがあり、
もう何年も続けています。
ただ、映画館でみるのとパソコンの画面でみるものには
最近では中学生の娘ですら使っている「似て非なるもの」
という大衆化した孟子さんの言葉で表現されるような、
感性を摩耗させていくものがあるような気がするのです。

数年前からネット販売をはじめて、
映画館で映画をみることとパソコンで映画をみることの違いのように、
店舗での販売との違いを思い知り、
どちらがいい悪いというわけではなくそれぞれの違いがある中で、
自ら店に立ってお客様と対面するからには
パソコンで映画をみてもらうだけではなく
映画館で映画をみた気持ちになってもらわなくちゃと
改めて思うのです。

で、今年に入って月に1回は映画館で映画をみるようにと決めたのだけど、
継続のための自身のリソースはいっぱいいっぱいなので、
このブログを使って継続の緩い縛りにできればなあと考えて
いいなと思う映画があった時、感想を書いていこうかなと思っています。

いいなと思うかどうかの問題もありますが
最近は、ヨーロッパだけではなく中国や韓国、インドやベトナム、タイなどのアジアにも
質の高いと感じる映画が多くて
そんなに心配はしていません。

長々と書いてきましたが
ようするに月に1回映画館に映画をみに行って
面白いと思ったら感想を書きますねという内容です。

ちなみに先月1月にみたのは
「エンドロールのつづき」です。

さて簡単な備忘録的な感想です。
あくまで個人的な意見ですので、おかしな内容なこともあると思いますが
ご了解ください。

「エンドロールのつづき」


初期衝動においてはイラン映画の「駆ける少年」の方がよいと感じるし、
映像の光や色の表現する心象風景においてはタルコフスキーさんの方が優れているように思う。
インドの映画だけと生粋のインド映画のように滑稽なくらい陽気ななわけでもない。

ただ、意図的な光や色の表現は好きだし、
深く考えているようにみえる登場人物が、実は何も考えていないような馬鹿げたシーンが多用されていてテンポがいい。

初期衝動を表現されているように思ったが、話の構成はアーサー王物語のパーシバルのような少年が母から旅立つ物語で、
それを基にしたスターウオーズを彷彿とさせるシーンがあったりして、面白かった。
この映画の中でのオビワンは死なずに失職した後、主人公に紹介されて再就職する(笑)
また、より母から旅立ちを象徴するような繰り返される母親の料理のシーンは美しくおいしそうだった。

監督の自らの生い立ちを実話をもとに表現しているということで、
この映画自体が監督にとっての旅立ちからの帰還なのかもしれない。


以上、久しぶりに文章を書くと相変わらずうんざりするほど理屈っぽいなという話でした。

 

2023年02月05日 00:00

2023年もどうぞよろしくお願いいたします





 

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(写真は縦横無尽のどこかにあるウエルカムボードです。ウエルカムボードなのにどこにあるかわからないので探してみてください(笑))

 

 

遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。

2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今年も自分たちが面白いと感じてつくった作品や選んだ商品を

自分たちも楽しみながら、

 楽しい時間と空間とともにお届けして、

越天楽、縦横無尽にいらっしゃったお客様に、

面白さと楽しさを感じていただけるように

心掛けてまいりたいと思っております。

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

越天楽

縦横無尽

河野隆史

スタッフ一同

 

2023年01月21日 09:40

2022年も有難うございました





 

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(写真は大好きな奥さんの影響で、嵐山の河原に行っては積んでいる息子のロックバランシングです)

 

今年も沢山の良きご縁を頂き有難うございました。

越天楽、縦横無尽ともに

2022年は12月25日まで
2023年は1月6日より
営業いたしますので
どうぞよろしくお願いいたします。

 

来年も越天楽、縦横無尽ともに
皆様に楽しんでいただける
作品や商品、時間と空間
をお届けできるよう
私たち自身も楽しみながら、
皆様にお会いできますこと、
スタッフ一同楽しみにお待ちいたしております。

良い年をお迎えくださいませ。

 

越天楽

縦横無尽

スタッフ一同


 

2022年12月21日 02:00

2023年の越天楽イベントについて





 

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(写真は車折さんの紅葉です)

 

いつも有難うございます。

毎年全国で行っております越天楽イベントは

代表である河野自身店頭に立つことを大切に思っております。

2023年度の出店に関しまして、河野の個人的事情により申し訳ございませんが、出店をしばらくお休みします。

河野自身は嵐山店舗におりますので是非嵐山に遊びにいらして下さい。

 

また、イベント再開に関しましてはホームページにて紹介させていただきます。

皆様体調ご無理ないようにして下さいね。

 

越天楽 代表

河野隆史

 

2022年11月22日 00:00

2022年秋冬新作できあがりました





 

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越天楽の2022年秋冬新作作品が出来上がりました。




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袖で遊び、

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恐竜で遊び、

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前後と襟で遊び、

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スリットと襟で遊び、

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前後とタック遊び、

といった、いつもの細部での遊びを楽しんで頂ける出来上がりとなっています。

作品は、嵐山の店舗「越天楽」と「縦横無尽」の両方で紹介させて頂きます。
お顔が見られます事楽しみにお待ちしております。

 

 

 越天楽

縦横無尽
スタッフ一同

 

2022年11月03日 07:43

鎮座ドープネスさん、CHEHON(ちぇほん)さん、欲望を刺激する


2022/10/3

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(写真は千本釈迦堂さんでみた菩提樹の葉です)


たまに、今何をきいているか紹介してほしいというご希望をいただきます。
今回もまたご希望をいただきましたので紹介いたしますね。


最近は鎮座ドープネスさんとCHEHONさんをよくきいているような気がします。

鎮座ドープネスさんは昔から大好きな方で、
英語は得意ではないとおっしゃられているのにリリック(曲にのせて即興で歌われる詩(うた))が天才的で、
特にえぐいリズムキープでの即興は他の追随を許さないぐらいに素晴らしく
音源自体がほとんどなかった時代に伝説といわれていた方でした。

有難いことにYOUTUBEで音源が手に入る時代になってから
自由に楽しめるようになりました。

すべて即興です。だいたいこの後にJBさんにいってしまいます。



若手の新進気鋭のレゲエの方とバトルセッション。
若手の方がレゲエやUKグライム、豊富なライム(歌詞で韻を踏む)を繰り出してきたことに対して、
中国武術の達人のようにふわりと自由自在なフロウ(その人のリズムののり方、取り方)とリリックで返していきます。
聞き取りやすい上にダブルミーニング(一つの言葉で二つの意味を持つ)、トリプルミーニング(一つの言葉で三つの意味を持つ)を散りばめていて秀逸です。
また、相手の大きな失敗を突かずに一緒に空気をあげていくところも好きです。
この手のバトルはディス(けなしたり否定したりする)も多くて、そんなに好きではないのですが、
こういう相互作用で別次元にいくようなセッションは大好きです。



CHEHONさんは日本レゲエの一翼を担われている方で、
在日であることを卑下せずだからと言って高飛車にならずに受け入れ、
抒情を歌い上げながら、常に前向きでまっすぐな歌詞と、リズムにのりやすい歌は
料理中、仕事の準備中によく聞いています。

今まで、レゲエにはそんなに興味がなくて
CHEHONさんで言うとダブルミーニングで有名なミドリをきいていたぐらいですが、
たまたまYOUTUBEで上がってきていて
それ以来のお気に入りです。

息子と聞いています。



ハタチぐらいの学生の頃に資金もコネも力も何もない状態で商売を始めた時、
周りのほとんどの人に「出来っこない」と言われてたなあ~と思い出して甘酸っぱい気持ちになる歌です。



さて、インターネット販売をはじめて2年以上たちました。
有難いことに少しずつですがご注文をいただく中で、
先日大変うれしい言葉をお客様から頂きました。

「欲望を刺激されました」と。

お店において、僕が大切に思っているのは「作品(商品)」「時間」「空間」で、
お客様に喜んでいただける「作品」はデザイン性や面白い商品性であったり、「時間」はお客様と楽しんでお話しすることであったり、楽しい提案であったり、「空間」はお店のディスプレイであったりクリンネスであったりするのですが、
インターネット販売ではなかなかこれら3つを表現することに苦慮していたからです。

「時間」も「空間」もなかなか思い通りにならず、下手すると写真でみせるデザインであるはずの「作品」ですらうまいことお伝え出来ない中で、
「欲望を刺激された」と微差を発見してお伝えくださったお客様には感謝しかありません。

改めてお客様の感性を信じて、
微差にこだわり、
発見されるため、
少しずつ良くしていきますね。

あくまで少しずつですが…。


以上、最近のことをつらつらと。

 
2022年10月03日 09:44