京都嵐山 越天楽 縦横無尽

自分たちで面白いと感じる作品や商品を
自分たちが楽しみながらつくりあげた時間と空間にのせて
お客様に喜んでいただけることが何より嬉しいです。

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社長雑記

濱口竜介さんと縁起と





 

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(写真は仁和寺八十八ヶ所でみたオーブです)

 

 同時代にリアルタイムで生きておられることに感謝するしかないような大好きな人が幾人かいて、

そのうちの一人に映画監督の濱口竜介さんがいます。

(そのうちの一人のクレイトン・クリステンセンさんは少し前にお亡くなりになりました。残念で悲しいです。いずれ文章を書くかもしれません)

 

濱口竜介さんは今世界で数少ない、創発を映像化出来る方だと思っていて、

映画に面白さではなく、どれだけ心を揺らされ、絶望を味わうかを求めてしまう僕にとって

感嘆するしかない監督です。

それも全ての作品で。

 

過去の優れた映画監督たちの遍歴から考えても

昨年公開された彼の「ドライブ・マイ・カー」は最高傑作になるであろうと確信していました。

映画の中にちりばめられたオマージュと情報量が何層にもわたって表現され、別の意味が立ち上がってくる集大成を

一人ではなく誰かと一緒に分かち合いたいと

昨年、友人を誘って観に行く予定を立てていました。

しかし、ニ度ほどやむ得ない事情が重なって観に行くことを断念しました。

今年に入って、大好きな奥さんと 観に行く予定を立てましたが、結局予定が入り頓挫。

 

これは僕に何を教えてくれているのだろうかと思いながら、

次に公開された「偶然と想像」を先に観て、

戯曲のような構成や演者の映像の中での成長を味わいつつ、

あまり細かく説明すると大事なものが失われてしまうのでここまでにしますが、

大好きなシッタルダーさんがおっしゃられていた「縁起」の映像化を試みられているように感じ

ただただ、茫然とするのでした。

 

そして、まだ観ぬ「ドライブ・マイ・カー」を観ることにより一体どんな別の意味が立ち上がり、

絶望を味わいながら心を揺らされるのかと思うと

おそるおそるで楽しみにしてしまうのでした。

 

以上、「ドライブ・マイ・カー」は独りで観に行きます・・という話でした。

 


 

2022年02月09日 10:48

2022年もどうぞよろしくお願いいたします





 

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(大好きなのでお伊勢さんに行くと必ずよる瀧原宮さんです)

 

 

遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今年も自分たちが面白いと感じてつくった作品や選んだ商品を

自分たちも楽しみながら、

 楽しさとともにお届けして、

越天楽、縦横無尽にいらっしゃったお客様に、

面白さと楽しさを感じていただけるように

心掛けてまいりたいと思っております。

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

越天楽

縦横無尽

河野隆史

スタッフ一同

 

2022年01月19日 10:44

初代竹山さんと2代目竹山さんとプラシーボと閾値(いきち)と





 

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(写真は松尾さんの天狗さんです。今回は龍がみえました)

 

津軽三味線の初代高橋竹山さんは名前だけ聞いていたぐらいで

数年前の初代と2代目の竹山さんを取り上げる映画まで音源に触れることはありませんでした。

ただ、数年前にたまたまみた映画でその音の凄みに鳥肌が立ち、ただただ圧倒されました。

 
(初代竹山さん)

映画の内容は詳しく覚えていないのですが、

初代が物故された後、2代目を継がれた2代目竹山さんが

女性ということもあってか、

20年くらい、津軽三味線の地である青森で演奏できず、

20年ぶりに和解して青森で演奏されて、

青森の人たちに認められて拍手喝采を受けるといった内容だったように記憶しています。

ただ、最後の拍手喝采の演奏がもちろん素晴らしいのですが、

初代とあまりに違っていて、うーんと首を傾げてしまいました。

まあ、フェリーニさんとかがよくやるように、

監督さんがみる者の感情へ意図的にざわざわした違和感を感じさせようとしているのかなあと

かってに了解していましたが。


(初代竹山さん。年を重ねて表現に凄味が増されているように感じます。特に死の間際のダメな演奏をダメなまま晒しながら、そこに時間とともに命を吹き込んでいく様には感動を越えて戦慄を覚えます)

 

 

先月、百貨店イベントに伺った際に

たまたまお客様で初代竹山さん直系のお弟子さんがいらっしゃって

お話を伺う機会があったのですが、

初代と2代目竹山さんの演奏の違いの疑問をぶつけると

お弟子さんに「楽器の違いも大きいよ」

と教えていただきました。

初代の音は氷河期時代に育った木からできた津軽三味線からきていて、

木の目が詰まった独特の音を奏でるその三味線は、今ないそうです。

一方で2代目も初代に劣らず技術的に素晴らしく、

音として違うように感じるならそれは楽器だろうとおっしゃられていたのです。

あっ、いつものようにプラシーボか…と。

 

で、もう一度初代竹山さんの音源に接してみるとやはりすごい。

何度聞いても楽器を外して考えてもすごい。

彼の3歳で失明して津軽三味線を弾くことしかできなかった貧しい生い立ちや、

戦中、戦後に苦労され、

物乞いのように家々を訪ねて演奏してまわったといわれる経験からくる

何かえもいえぬ凄味が演奏にのっているような気がしてならないのです。

 

でも、2代目さんに映画の映像では僕だけかもしれないけど凄味が感じられない。

それは戦争で生死を体験しなかった僕たちや

 初めからノウハウや情報や便利を多く与えられている今の子供たちにも当てはまります。

自分ではどう変えようもない絶望であったり、死と隣り合わせの恐怖であったりがない時代というのは

生きていく上での多くのことは快適だったとしても、

表現者でもない零細中小自営業者にとっても

越えがたい壁のように感じるのです。

 

そうするとカマシワシントンさんのように

過去のジャズやすべての音楽を網羅して編集したうえで

膨大な時間をかけて、自分の音をのせていくために期待をしない努力し続け、

閾値を高め続けて、

こないことを前提としながら、

創発がやってくるのを信じるしかないという

いつもの姿勢しかないわけで…。


(2代目竹山さん。彼女にしか出せない音が感じられ素晴らしい演奏で、モダンで聞きやすいです)

 

 

これはこれで向き合わされたような

あーそうですね頑張りますよ来年も…といいたくなるような

一年最後の締めくくりとなった気がします。

 

 

 以上、今年最後もいつものようなやるせない、

言語化すると陳腐になる話しでした。

 

2021年12月29日 00:00

2021年も有難うございました





 

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(写真は大好きな奥さんが嵐山の河原に行っては積んでいるロックバランシングです)

 

今年も沢山の良きご縁を頂き有難うございました。

越天楽、縦横無尽ともに

2021年は12月26日まで
2022年は1月7日より
営業いたしますので
どうぞよろしくお願いいたします。

 

来年も越天楽、縦横無尽ともに
皆様に楽しんでいただける
作品や商品、時間や空間
をお届けできるよう
私たち自身も楽しみながら、
皆様にお会いできますこと、
スタッフ一同楽しみにお待ちいたしております。

良い年をお迎えくださいませ。

 

越天楽

縦横無尽

スタッフ一同


 

2021年12月21日 02:00

2022年3月までの越天楽イベント予定



 

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(写真は最近の催事の様子です)

 

いつも感謝しております。

相変わらず少しずつですが、2022年3月までのイベント予定をお知らせいたします。

 

2022年は

2022年2月2日~2月8日
伊勢丹コリドー富士店2階イベントスペース

(静岡県)

2022年2月17日~2月24日
水戸京成百貨店4階エスカレーター横
(茨城県)

2022年3月16日~22日
静岡伊勢丹百貨店 4階エスカレーター前
(静岡県)

に出店します。

 

いつものように河野自身がうかがいます。

楽しい作品と時間と空間をお届けできればと思っております。

マスク着用の上、感染対策に留意いたしますので、
お近くの方はよろしければお越しくださいませ。

 

2021年12月21日 01:00

2021年秋冬新作できあがりました





 

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(2022年秋冬新作作品、少しだけ紹介しますね)

 

遅くなりましたが越天楽の2021年秋冬新作作品が出来上がりました。

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こんな時でも、こんな時だからこそ少しでも楽しい気持ちになって頂ければと新作をつくりあげました。

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定まらない時世が続く中でも、少しずつお店に来て頂けるようになりました。

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今回からは、コロナ禍がこのままおさまっていく願いもこめて

いつも通り「縦横無尽」にて紹介させて頂きます。

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もし、可能ならばお店でお会いできれば嬉しいです。

 

越天楽

縦横無尽

スタッフ一同

 

2021年12月11日 00:00

思い出さんと一斎さんと自画像




 

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(写真は娘が撮った嵐山の亀山さんです)

 

 またまた、最近聴いている音楽を教えて欲しいと連絡いただきました。時間配分にブログを入れ忘れて、すっかりご無沙汰しておりましたので、つれづれと少し書いてみますね。

 最近は、催事を久しぶりに復活したこともあり、何もないところから一から店づくりをする機会が増えました。

そんな時に聴いているのは

もっぱら思い出さん(思い出野郎Aチームさん)です。

たぶんベースがジャズとかソウルとかそういうものが好きなんだと思います。

他にも、思い出さんだとグダグダパーティー、週末はソウルバンド、繋がったミュージック等を聴いています。


(家でこの「アホな友達」を聴いていると、それからは子供達が「アホな友達の人達」と呼ぶようになりました‥。)

 

 で、彼らはそれぞれに、幼稚園とかテレビの美術屋さんとか別の仕事を持たれていて、音楽が生業ではなくても、本当に好きで関わっている優しい感じが好きなのです。

 

 

話は変わりますが、ちょうど個人的に佐藤一斎さんの著作の勉強会に参加していて、先日のテーマが「自画像」でした。

で、一斎さんは生まれ持った自身の自画像と、社会での自身の自画像の差が大きければ、大きいほど不安が大きくなり、お酒とか、性欲とか、ノウハウを求めるとか、安易な解決策や陰謀論などへの依存で、その不安を埋めようとするとおっしゃられているのです。

でも、思い出さんみたいに自画像の差を

好きな音楽で埋めていて、例え依存でも、依存として認識して楽しめればそれはそれでありだよなあ〜とも思うのです。

 

だからといって、中小零細自営業者の僕は

生まれ持った自身の自画像と社会的な自身の自画像がほとんど一緒で、そうすると本人は不安が少なく良いかもしれませんが、身近なまわりはすごく迷惑します。

先日も、初期衝動に生きる人間が自画像のまま行動して、迷惑をかけたような‥。

 

以上、久しぶりに書いても、やっぱりいつものようにグダグダとした話しでした。

 

2021年11月12日 00:00

少しずつですがイベントを再開します




 

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(写真はコロナ禍で夜に登れないので、昼にお詣りした愛宕さんです)

 

いつも感謝しております。

まだまだコロナ禍は続きますが、そろそろイベントを再開いたします。

といっても少しずつですが・・。

 

2021年は

2021年10月19日~10月27日
広島三越百貨店8階エスカレーター前
(広島県)

2021年11月10日~11月16日
東武宇都宮百貨店3階イベントスペース
(栃木県)

2021年12月15日~20日
丸広百貨店東松山店 3階エスカレーター横
(埼玉県)

に出店します。

 

いつものように河野自身がうかがいます。

マスク越しに、感染対策に留意しながらとなりますが、楽しい作品と時間と空間をお届けできればと思っております。

お近くの方はよろしければお越しくださいませ。

 

 

2021年09月27日 00:00

蝲蛄(ざりがに)と蟋蟀(こおろぎ)、パンケーキと星野源さん




 

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(愛宕さんと息子、今年何とか建てた長刀鉾、月鉾です)

 

「今年も蝲蛄(ざりがに)行ってるわよね、息子さん。」

とご近所の数人のお客様に聞かれました。小学生の息子も大きくなってきて、昨年で最後かなあと思っていたけど、まだ行っているので書いてみますね。

 

いつもの蝲蛄(ざりがに)に加えて、

息子が育てているフトアゴヒゲトカゲが好きな蟋蟀(こおろぎ)も

捕まえています。

そんな備忘録です。

 

 ・昨年と同じ狩場は通用しない

・昨年と同じやり方は通用しない

・競争相手が多くなると獲物は減る

・結局どれだけ時間と情熱をかけるか

・どれだけとれるかの数ではなく、どんな獲物をどうやって取るかの方が大切

・蟋蟀(こおろぎ)はたまたま捕まえることはあまりない。コテン(フトアコヒゲトカゲ)の為に確固たる意志を持って取り組まなければ捕まえられない(だから捕まえられるのは息子だけ)

・初夏に蟋蟀(こおろぎ)を取ろうとすると限られた場所しかない

・蟋蟀(こおろぎ)は取りすぎると夜うるさい

 

 

 

 話は変わりますが最近、週末の朝、息子がパンケーキを焼いてくれるようになりました。

先日パンケーキを焼く時のBGMは以前、紹介したことのある星野源さんでした

(星野源さんの「地獄でなぜ悪い」)
  息子が幼稚園に通っていた時に一緒によくこの歌を聴いていて、

ある日幼稚園の先生が心配そうに

「息子さんが地獄、地獄という歌を歌っているのですが…」

といわれたことを思い出しました。

 

歌われている星野源さんは結婚されたそうでおめでとうございます。

ひねくれ者なので人気が出ると、

音も歌詞もキャッチーに分かりやすくなってきた気がして聴かなくなっていたのですが、

久しぶりに聴いてみるとやっぱり好きな歌だなあと思います。

サケロック復活しないかなあ。

名前を変えてシャケロックでもいいから…。

 

以上、息子のパンケーキは美味しいですよ

という話でした。

 

2021年07月31日 00:00

晩御飯づくりとコロナウイルスとペロポネス戦争後のギリシャと





 








(最近聴いている音楽を教えてほしいというお声を頂きました。そんなこと聞いてどうなの?と思いつつご要望ですので、紹介しますね。主に晩御飯を作るときにかけています。だいたいベッシースミスさん、ロバートジョンソンさん、マディーウオーターズさん、アレサフランクリンさんのローテーションで最近JBさんと在日ファンクさんが加わってきて、その影響か少し料理味付けが濃くなったような気がします…)

 

 新型コロナウィルスの繰り返す緊急事態宣言による店の時短で(越天楽、縦横無尽とも11時から15時までです)

帰宅が早くなることが続いています。

 

以前は娘と一緒に晩御飯を作ったりしていましたが、

最初の緊急事態宣言以降は学校が休みになるわけではないので

僕が一人で作るようになりました。

 

もちろん初心者ですし、急に幅を広げても手に余りますし、

最初に使用するのはフライパンと電子レンジのみ限定の料理です。

で、作るものはある程度数を重ねると自分の好みになってくるわけで、

人参をごま油でひたすら炒めて塩麴と胡麻を少し入れるとか

キャベツと豚バラブロックをひたすら炒めてとか

素材を味わうような素朴なものが多くなってきます。

 

 

歴史好きにとって今回の新型コロナウイルスは

インターネットという少し前の社会変革とはまた違った、

社会構造がやむにやまれず変わっていくような、

ペロポネス戦争後のギリシャ末期に立ち会っているような既視感を覚えます。

 

もちろん商売や生活の変化においての不安感は前提としてありますが、

それよりも起こったことを陰も陽もすべて味わい尽くしたい欲望をより強く感じています。

 

大好きな易経でいうと起こっている状態が吉であっても凶であっても悔であっても吝であってもすべては構造でしかなく、

どう変じていくかの観と、自身がどうあるかの深堀りが大切であったりします。

ただ、その必要な観や自身の存在に対する深堀りの不足によって、

味わい尽くせないのではないかという焦燥感も日々感じています。

 

起こったことをどこまで味わい尽くせるのか?

もっと味わい尽くしたい

自身がどんな存在で、何をもって味わうのか?

という欲望や焦燥感が料理にも反映されてきているのならちょっと嫌だな~

と思う今日この頃です。

 

 

以上、味付けは一度濃くなるとそこから薄くするのはなかなか難しいですよね~

という話でした。

 

2021年06月16日 00:00